2018.06.24

2018S.P.V.Legend Race Car Cap 第2戦 in 筑波

LegendRaceCar2018年シリーズ第2戦はJAF公認レースとして5月27日筑波サーキットで行われた。

今回のステージはレジェンドレースカーのホームコースと成りつつある筑波サーキットとなり、MAY RACE MEETING in TUKUBAを舞台に12台のレジェンドカーがエントリーされた。

このレースも開幕戦と同様に1Dayで行われるがLegendRaceCarCUPは2レース制で行われる為、予選セッションも含め1日に3回の走行となり、レーステクニックだけでなく集中力と体力の勝負でもあり2018年シーズンから使用するワンメイクタイヤが昨年までのタイヤから本国アメリカでのレースと同じフェデラル製のラジアルと成った事で、昨年までの経験を持つドライバーと今年度から参加するドライバーとが接戦であることは開幕戦の茂木を見ても理解できる。

注目なのは、今回の第2戦に開幕戦の上位入賞していた♯100山本と♯55たしろが出場しておらず、代りにエントリーされたのがルマン24時間レース優勝経験を持ち、トップフォーミュラー・スーパーGTでも活躍する”世界の荒 聖治 選手と、スーパーGT・スーパー耐久でGT3にて参戦する藤波 清斗選手が参戦した。

 

↑荒 聖治選手

右:藤波 清斗選手

荒選手はプラチナドライバーという事でエキシビジョン参戦とし、ポイント・結果共に除外される事と成ったが、予選・レース1・ファイナルと全ての進行とポジションでレースを行う事と成り、トップドライバーと同じ土俵で戦えることはステップカテゴリークラスのレースでは珍しい事だ。

レーシングショップBSKチームの4台

♯96BSK小林代表「世界の荒選手と一緒に走れるなんて凄いですよね!うちのチームのドライバーも喜んでいますよ」

予選は午前9時過ぎから15分間で行われ、久しぶりの筑波サーキットの感触を確かめるよう全車スムーズに走行が開始された。

最初にアタックに入ったのは若手現役GTドライバー藤波選手。こちらも今回だけのスポット参戦で有るが事前のテストも行っている為か早々に1分7秒台前半を記録させた。

♯100の藤波が7秒台を記録する頃、最後尾付近からコースインした♯55荒は、これがレジェンドレースカー初ドライブであり全くの未経験。マシンの感覚を掴む為、数周の時間を要すと思われていたがコースインの1周目、最終コーナーを現在トップのタイムを出す藤波と同様の車速?又それ以上に見える速さでクリアしてしてきた。

ピットから見ていても速く、そしてとてもスムーズに見えるその姿はかなりのタイムが想像できた。

結果は♯100藤波のタイムを約0.4秒短縮する1分06秒978 と6秒台を叩き出した。

これにはパドックからも歓声が上がり、[世界の荒]と再認識させられた。

これにより予選はポールポジション♯55荒、2位に♯100藤波、3位に♯99松井、4位♯27徳藤、5位93橘川と続いた。

予選後に♯55をドライブした荒選手にコメントを聞いた。「レジェンドレースカーはどんな感じですか?」

荒「驚きました。これはレーシングカーですよ!見た目の印象とシートに座った感じでは・・・チョット大丈夫?と思っていましたけどコースインした瞬間から”おっっ”っとリアルでレーシングなハンドリング。そしてエンジンとギアの繋がりは本当にマシンですね!」

と好印象なコメントであった。だが次のコメントも

荒 「レーシングマシンなだけに本当の初心者向けというよりある程度経験が有るドライバーがトレーニングとして技術を上げる為のマシンと言う感じですね。日本のステップカテゴリーでは体験できないマシンですね。エンジンもパワフルですし・・・安全性含めてこの後確認します。」

と続けた。

ヒート1

レジェンドレースカーのレースは予選後、決勝前にレース形式の7周で行われるレースが行われる。これは本国アメリカと同様のシステムで、たしろ「アメリカはとにかくレースが沢山有るんです。ですから同じ1年のレース経験と言っても日本とは比べ物にならない経験数になります。日本も少しでもこの経験数を上げる為に1日に2レース出来るようにしました。」

確かに1日に2レースは日本のステップカテゴリーでは無いシステムだ。これは1日を満喫するだけで無く、約1回分のコストで2レース経験できることは非常にコストダウンへと繋がる事と成るであろう。

そのヒート1ではブレーキに違和感を感じた♯55に乗る荒が後退し5番手で終え、♯99松井と♯100藤波、♯7伊藤とバトルを展開した後、リザルトではタイムさ0.000秒映像判定で数センチの差で♯99松井が制した。4位でフィニッシュした♯7伊藤までトップから1.5秒以内だったことからも壮絶なバトルだった事が判るであろう。

たしろ「荒選手の車両はいつも自分が乗っているんですが少しペダルの遊びが多かったんで底付き感が出たみたいです。調整しましたからファイナルレースは大丈夫です。心配をお掛けしました。」

ファイナル

いよいよ第2戦の最後レース。このレースの結果がリザルト、シリーズポイントと共に結果と成る。

注目は自動車競技という枠でプロドライバーと言われる♯99松井(D1ドライバー)と♯100藤波に3番手♯7伊藤と♯93橘川そして、♯96小林達がどこまで戦えるかが注目だ。

又、ヒート1でトラブルに見舞われた♯55荒がどこまで追い上げるかも目が離せない。

スタートは日本のスプリントレースでは珍しい、ローリングスタートをこのレースは採用している。がここで全車フォーメーションラップを開始する中、1台スタートを切れなかったのは、なんとポールポジションからスタートの♯99松井だった。辛うじて隊列が1コーナー出口に達したところでエンジンに火を入れる事に成功!松井「慌てました。ウォーミングアップの際プラグをかぶらせてしまったようです。」これにより痛恨の最後尾スタートとなる。

スタートを抜群のタイミングで切りホールショットを奪ったのは♯100藤波だ。予選こそ♯55荒に良いところを持ってかれた感が有ったが決して藤波が劣っていた訳では無く、若手とは思えぬ確実なレース展開でここまできている。

スタート直後のダンロップでは軽い接触が発生し、トップ藤波と2番手以降に少し開きが発生、しかし実質の2番手スタートとなった♯93橘川と♯7伊藤が後を追う展開となり、その後方では♯56永田と♯96小林とのバトルが後半まで続いた。

3周を過ぎた頃、スタートのアクシデントに見舞われた♯99松井は♯55荒と共に既に3番手争いに加わるというリカバリーを見せる。トップの藤波はそのまま先行するかと誰もが感じていたがその感覚は徐々に2番手まで上がった♯55荒が追い上げる。

しかし、ここは藤波も現役プロドライバーだ!プロの意地を見せ前を譲ることは無かった。

そして、第2戦を制したのは初参戦♯100藤波。2番手にはエキシビジョンではあるが♯55荒、3番手には♯99松井の追い上げを振り切り♯93橘川が大金星となった。

表彰式ではシャンパンファイト他トロフィーの授与が行われ3位入賞のドライバーには1位10万円、2位には5万円、3位には3万円が渡された。

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