2018.06.26
本場アメリカ戦にたしろ選手が挑戦‼inシャーロットMSWサマーシュートアウト‼
6月9日朝、羽田空港のロビーに集結したLEGENDCARSJAPANの関係者達がアメリカシャーロットに向け旅立った。
これは、LEGEND RACE CAR(以後L.R.C)の本拠地にあるシャーロットモータースピードウェイで行われるサマーシュートアウトにたしろ じゅん選手が出場するためだ。
このサマーシュートアウトとは、6月から7月中に略毎週に渡り22レース行われるL.R.Cのシリーズ戦で、その開幕戦と第2戦に参戦する計画だ。
今季、LEGENDCARSJAPANは現地にアメリカ戦用車両として1台のL.R.Cをアメリカ本社に保管している。
日本でのL.R.Cシリーズのドライビングアドバイザーと運営を担当するたしろ じゅん選手へのご褒美と今後日本からのアメリカ戦出場選手へのアテンドの予行練習を兼ねての招待だ。
日本を出発前のラウンジで食事を取りながら機内でも たしろ氏に今後のL.R.Cについて話を伺った。
たしろ「日本ではアメリカの意向もあり特別な宣伝広告費を掛けずに運営しています。これはとにかくマシンの販売コストや運営コストを下げて少しでも安くお客様がレースを行って頂く為の手法なんです。でも、着実に良さが伝わりつつあると実感しています。」
L.R.Cだけでなくその他のレースも有りますから大変ですね。先日も富士SWの24時間も有りましたし。優勝おめでとうございます。
たしろ「有難うございます。24時間で優勝できたことで自分の中でも自身のレースにひと段落的な気持ちが有りますし、更にサポート側での仕事を充実させたいと考えています。」
具体的に充実とは?
たしろ「特にこのL.R.Cのお客様が購入まででは無く、購入後のサポートととして、レース参戦からドライビングまでアドバイスやサポートをする事で他に類の無いレースカテゴリーにしたいです」
「要するにL.R.Cを購入するとドライビングスクールや情報だったり色んなサポートが付いてくる。将来アメリカやヨーロッパでもレースが出来る。僕だから出来る事をしたいですね。」
たしろさん。では今回のアメリカ戦もそのお客様への充実サポートの一環なんですね?
「そうですね。海外レース参戦と言う点でも世界1安い経費で挑戦出来るのもこのL.R.Cですからね。今後参戦希望のお客様が安心してレース出来るように勉強してきます。24時間の翌週なので正直キツイですけど頑張りますよ。と言うか飛行機の中位は休ませてよ!笑」
目的地はアメリカ、ノースカロライナ州シャーロット。今回の便はニューヨーク経由の乗り継ぎでシャーロットダグラス国際空港だ。
ニューヨークケネディ国際空港では7時間の乗り継ぎ待ち時間があった為、待ち時間を利用してニューヨークの5番街や
遠目に見る自由の女神を見たりとNY観光。
後にNY観光を満喫しすぎてシャーロット行きの飛行機に乗り遅れチケットを
その後、目的地シャーロットに到着したのは日本時間では翌日だが、時差の関係で同日の土曜日夜9時に到着。
ホテルは田代氏が渡米の際に利用しているシャーロットダグラス国際空港から5分のホテル。ここを拠点にサーキット、チームガレージ、U.S.Legend Cars本社を往復する。
翌日は休日という事でサーキット、チームガレージ、本社共にクローズの為、調整日とした。
サーキット入りは月曜の朝、受付前に外からコースをチェック。シャーロットモータースピードウェイはフルサイズのオーバールコース内にパドックの他にロードコースを備え、たしろ選手が前回ロードコースに参戦したコースがこれだ。
ゲートで受付を済ませオーバールコースの真ん中、中心にあるパドックへ
パドックにはキャンピング&トレーラーを牽引を兼ねたトータホームでL.R.Cを入れたトレーラーを牽引する。迫力は正にアメリカン。
日本チームのマシンもトレーラーで運ばれて来た。
アメリカ戦用マシンではたしろ選手の希望で日本で使用しているマシンとカラーリングは略同じ青とシルバーの見た事がある仕様だ。
エントリーはL.R.C.ではアメリカで1.2を争う名門チーム DEVO MOTOR SPORTSからだ。
これから始まるL.R.Cの猛者達との戦い、そして初のオーバール走行の前に、たしろ選手も緊張と興奮を隠せないようだった。
現地メカニックと日本からのメカニック共同でたしろ選手をサポートする。
しかし、話には聞いていたが参加台数は圧巻だ。この日はサマーシュートアウトシリーズ全22戦の開幕戦。レースは夜行われるのだが初日は午後からテスト走行が出来る。
次から次へとテスト走行の為に集まるL.R.C
たしろ選手の初ショートオーバルはと期待していたが・
何とコースイン直後にスコールに見舞われ、貴重なテスト走行はウッェトでの走行になり、3回の走行予定であったが1回目で全てキャンセル。
もう1度ある夕方からのテスト走行に期待だ。田代選手にコメントを伺った。
たしろ「今?雨だよ雨・アメリカの雨も日本と同じで滑るね!笑」「雨男は誰だ?僕?」
この雨はスコールと言うだけに1時間も経つとウェットからドライ路面に戻り、スケジュールも直ぐに戻った。
2回目の走行は無事予定通り行われ、たしろ選手も予定の走行を行なえた事も有り明るい表情だ。
たしろ「やっと走れたね。感触は良いけど日本のレギュレーションよりウェイトがキツイからマシンが重いよ」
聞くとマシンとDr体重の合算のレギュレーションでたしろ選手でも30Kgの鉛をマシンに搭載しているようだ。
たしろ「イメージより止まらないしコーナーでは踏ん張らない感じだね。バンクも曲者だね。1と2と3コーナーはバンクが無くて4コーナー飛び込みでバンクに入るからそこだけ他のコーナーより速めの車速で入らないと遅れてロスになるんだよね。」「前回はアンダーに悩まされ今回はオーバーに悩んでる感じだよ。」
と久しぶりのアメリカ戦と初ショートオーバールに苦戦しているようだ。
アメリカのピットガレージはオープンピットとなり壁を隔てる事無く非常にオープンな雰囲気だ。
予選に向けてアライメントやバネ交換等の調整が行われていた。
チーム代表のDEVOがこのレースの主と言うところも日本からのチームを歓迎してくれる要因のひとつだろう。
テスト走行後は日本と同様にレース前のDrミーティングが行われた。
たしろ「半分も理解できないね!笑」「なんとかなるでしょ!」
熱心に聞く田代選手だが、現地の早口な英語を聞き取る事は慣れが必要だ。
いよいよ開幕戦の予選 3RAP走行中のベストタイムが予選タイムとなる。これにより、その後のRACE1のグリットを決定される。
結果は18台中の9番手。トップとは約0.3秒とまずますの結果とチームは喜んでいたが田代選手は悔しそうな表情であった。
たしろ「悔しいですね。こんな下のグリッドはあまり経験が無いので・・・たった3RAPの予選ではコースと他のドライバーを把握していない自分には厳しい環境だね。」
確かにたしろ選手にとって同クラスの速い選手とそうでない選手は判断が効かない為にアタック中に前車に追いついてしまいクリアで走行は出来ていなかった。
続いてRACE1となる訳だがアメリカンルールか?スケジュールの関係という事だが予選10位までのドライバーはRACE1をキャンセルできる事になり、たしろ選手にとっては経験を積む為にも走行を希望したが、その結果でファイナルのスタート順が決まるだけに参加は実質不可能と判断した。
ファイナル
いよいよ本日のメインとなる最終レース。
前の組のレースでは若手ドライバーのクラスという事もあり、クラッシュや接触が毎周の様に発生しスタート時は40台以上いたマシンが結果ゴール時には半分以下という激しいレースであった。
オーバールレースのルールも初レースのたしろ選手を苦しめた。
スタートのローリングこそ予選結果順に並ぶがスタート後のセーフティーカー(以後SC)導入リスタートではイン側アウト側とリスタートの隊列を自身で選ぶと言うルールがあり、このコースではインが有利とされ、例えば前の全車がインを選んだ場合アウトを選ぶとアウト側先頭からスタート出来るシステムだ。しかし、連結された電車の様に繋がって走る為、結果後方に強いられるという事と成る。
勿論、隊列に隙間が発生した場合、インに飛び込み先頭をキープすれば一気にトップに上がる事も可能で、その為勝負に出る選手も少なくない。
これも経験が物を言う作戦の一つで、今回のたしろ選手にとっては苦戦した一つであった。
実際ファイナルレースでも3回のSCが導入され、その都度、現地のメカからのイン側アウト側の選択を無線で支持され、得や損がその度に生まれていたようだ。
序盤のスピン車両を間一髪で交わしたがこれは、たしろ選手のレース経験の豊富さゆえのテクニックだったであろう。
結果は5位入賞。初参戦で先ず先ずの結果に現地チームスタッフは勿論、他のチームやドライバーやオフィシャルまでもがわざわざパドックまで祝福する為訪れてくれたことはたしろ選手にとってこの上ない喜びであった事だろう。
たしろ「やっとショートオーバルの練習が出来て少し解った感じですね!1ミスが命取りで・・・スタートもレース中も接近戦に慣れないとダメですね。」
事前プラクティスが略数周でFinal(決勝)であった為、たしろ選手にとって本番が一番の練習となったようだ。明日の第2戦が楽しみだ。
翌日のSummerShootout第2戦
レースは夕方からでサーキット入りは午後4時。
日本以上に暑さを感じるここでは観客や参加者を考慮して日差しが落ち着く夕方からのレースが一般的だ。と言っても夜20時頃まで日は暮れず明るい。
昨日の開幕戦5位入賞となったことでチームは優勝もあるかも?という雰囲気でレース後は厳しい再車検も視野に重量や地上高、ホイールベース等昨日のオーバーステア対策と共に調整が行われた。
予選では自己ベストが期待されていたが、何と3RAPしか無い予選で前の車両に追いついてしまうアクシデントが・
たしろ「速い1号車の後ろで・・と思ったんですけど間に1台入られて・・・撃沈です。」
「日本だとこんな失敗無いんだけど気負い過ぎかな?」
結果は6位で決勝を迎えられることにはなったが、セットが決まり上位を狙えるマシンに成って頂けに悔やまれる結果だ。
ファイナル(決勝)
6番手スターという事でスタートは少し不利なOUT側だったがスタート直後の1コーナー手前でINを取る事に成功してホッとした直後、全車と接触。
接触の判定はたしろ選手に非は無く、前車の接触により失速した為にたしろ選手が追突したと判定された。
しかし、スピンした車両に乗り上げてしまったことでマシンのアライメントが狂いダメージを追ってしまい、結果は7位でレースを終えた。
たしろ「残念の一言だけど楽しかったですよ。コンクリートウォールにヒットした時は星が見えました。いつもだったら考えられないミスも多くて1からレースをやり直している気分になりました。日々勉強です。」
と、レースの感想を語った。
又、日本での今後の展開も
たしろ「L.R.Cは本国ではエンジンが変わっていきます。変わると言っても新旧のエンジン両方が戦えるようになる訳です。これで古いエンジンのマシンと言われなくなりますね。アメリカでは既に始まっているハズなのですが1台も新型はいませんでしたね。前回渡米の際に実はテストしたんですが不利有利は略無かったですね。新型は軽い分コーナリング有利でしたがウェイトハンデでイコールにすると言っていましたから。ですがエンジンのライフは水冷エンジンと成ることで非常に延び良い事です。そんな事で日本では来年から混走でウェイト調整してレースを行います。現行エンジン仕様も10台程在庫も有りますしどちらも選べる感じで行きますよ。コンバージョンキットも安価で済みそうですから既に購入しているマシンにも搭載出来ます」「僕はどっち?のエンジンでいくかですか?どっちでも良いので少ない方でいきますよ。」
今後もL.R.Cから目が離せない展開と成りそうだ。 終
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